今日は朝一で銀行へ。
用が終わって外に出ると合唱のような低い「ほー」の声と錫杖の音。
見ると車道を挟んだ向こうの歩道に長い列をなした托鉢僧が。
天神でも、頻繁ではないけれど珍しいというほどでもない位には見かけるので、日常の風景としてふっと見て「あぁ」と思って視線を戻してオフィスへの帰途についたのだけど。
だんだん音が近づいて来るじゃない。
え?
と思って振り返ると信号を渡ってこちらに向かって来る。
え?え?え?
別に悪いことしてるわけでも何でもないのに、なんだかドキドキしてしまって挙動不審な早足に。
でも全力早足で歩いているのに
錫の音がどんどん大きく迫って来る。
しゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃんしゃん...
気付くと私の頭の中は錫杖の音だけに支配されていた。
音との追いかけっこのように歩を進め、そして信号に引っかかり、ついには追いつかれ、並んで信号を渡り、しゃんしゃんしゃんしゃん錫杖の音に包まれてしばらく歩いているとすっと音が離れていって、気付くと彼らの姿は消えていた。
錫杖の音には、煩悩を取り去り智慧を得る効果があるという。
そんな音に支配されたひととき、私の心も少しは洗われただろうか。